食品トレーサビリティ義務化とは?
【Part2】制度対応・記録管理・表示義務を解説

食品表示や原材料の産地偽装が社会問題になる中、「トレーサビリティ」の重要性がますます注目されています。消費者の信頼を守るために、今や企業の“当たり前”となりつつある食品トレーサビリティ。本記事では、制度対応・記録管理・表示義務を解説します。

トレーサビリティシステムの導入

食品トレーサビリティ対応のためには、ロット管理や記録管理が可能なシステムの導入が不可欠です。トレーサビリティシステムを導入する際には、自社の規模や業種、取り扱う食品の種類などを考慮し、最適なシステムを選択する必要があります。

具体的には、以下の点を考慮してシステムを選定することが重要です。 まず、自社のサプライチェーン全体をカバーできるシステムであるかどうかを確認する必要があります。一次生産者から最終消費者まで、全ての段階で情報を追跡できることが理想的です。

次に、ロット管理機能が充実しているかどうかを確認する必要があります。ロット番号を付与し、各ロットの情報を正確に管理できることが重要です。
また、記録管理機能も重要なポイントです。生産、加工、流通、販売の各段階で発生する情報を、正確かつ効率的に記録できる必要があります。記録された情報は、必要に応じて迅速に検索・照会できることが望ましいです。

さらに、システム導入後のサポート体制も確認しておく必要があります。システムの運用方法やトラブルシューティングなど、必要なサポートを受けられるかどうかを確認しましょう。

近年では、クラウド型のトレーサビリティシステムも普及しており、初期費用を抑えて導入できるというメリットがあります。また、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に対応したシステムも増えており、現場での情報収集や記録が容易になっています。

トレーサビリティシステムの導入は、食品事業者の規模や業種、予算などに応じて、様々な選択肢があります。自社に最適なシステムを慎重に検討し、導入効果を最大限に高めることが重要です。

記録管理と情報開示

トレーサビリティシステムで記録された情報は、正確かつ適切に管理し、必要に応じて関係機関や消費者への情報開示を行う必要があります。記録管理においては、情報の正確性、完全性、可用性を確保することが重要です。
具体的には、記録された情報が改ざんされていないか、欠落がないか、いつでも必要な時にアクセスできるかなどを確認する必要があります。

また、記録された情報の保管期間も法令や業界の基準に従って適切に定める必要があります。一般的には、食品の賞味期限や消費期限が過ぎた後も一定期間は記録を保管することが求められます。

情報開示においては、開示する情報の範囲や方法を、事前に明確にしておくことが重要です。関係機関からの要請があった場合には、速やかに必要な情報を提供する必要があります。

消費者からの問い合わせがあった場合には、可能な範囲で情報を提供するように努めることが、信頼性向上につながります。ただし、個人情報や企業秘密など、開示できない情報もあるため、注意が必要です。

近年では、QRコードなどを活用して、消費者がスマートフォンで簡単にトレーサビリティ情報を確認できる仕組みも普及しています。

記録管理と情報開示は、トレーサビリティの信頼性を高める上で非常に重要な要素です。適切な体制を構築し、継続的に改善していくことが求められます。記録管理体制の構築にあたっては、専門家の助言を参考にすることも有効です。

食品表示法の遵守

食品表示法に基づいた正確な情報表示は、トレーサビリティの基本です。原材料、原産地、アレルギー情報などを適切に表示することで、消費者の信頼を得ることができます。

食品表示法は、消費者が食品を選択する際に必要な情報を正確に伝えることを目的としています。 表示内容としては、名称、原材料名、内容量、賞味期限または消費期限、保存方法、製造者または販売者、アレルギー物質、栄養成分表示などが挙げられます。

これらの情報を正確に表示することは、消費者の健康を守り、食品に関する正しい知識を普及させる上で非常に重要です。原材料名については、使用した原材料を全て表示する必要があります。添加物についても、食品添加物公定書に定められた名称で表示する必要があります。

アレルギー物質については、特定原材料(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)と、特定原材料に準ずるもの(アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン)について、表示が義務付けられています。

原産地については、輸入品の場合、原産国名を表示する必要があります。国産品の場合、都道府県名や市町村名を表示することができます。栄養成分表示については、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量について、表示が義務付けられています。

これらの情報を正確に表示することで、消費者は自身の健康状態や食生活に合わせて、適切な食品を選択することができます。食品表示法を遵守することは、食品事業者の法的義務であるとともに、消費者の信頼を得るための重要な要素です。

食品表示に関する知識を深め、正確な情報表示を心がけることが重要です。

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