帳票作成の苦労をゼロに。AI搭載「ツクルデAI(V3)」が描く食品DXの未来
この記事の重要ポイント
- 「作り込み」の直感化:タブレット画面をリアルタイムで確認しながら編集できるプレビュー機能を搭載。
- 生成AIによる自動生成:PDFをアップロードするだけで、AIが項目を読み取り、瞬時にデジタル帳票へ変換。
- 逸脱管理の部品化:複雑な分岐設定を廃止し、共通の「是正処置パーツ」を呼び出すシンプルな構造へ。
- 監査対応の自動化:提出先(監査・品管・現場)に合わせて、表示項目を瞬時に切り替える出し分け機能を実装。
- 現場の責任を可視化:セクション単位の「部分確定」により、誤操作によるデータ書き換えを防止。
現場の「紙」はなぜ消えないのか?ツクルデAI(V3)が挑む真のデジタル化
食品製造の現場には、今なお膨大な「紙」が残っています。デジタル化の必要性は理解しながらも、多くの工場長が二の足を踏む最大の理由は、「デジタル帳票を作るのが面倒だから」という点に集約されます。既存のツクルデ(V2)バージョンでも多くの課題を解決してきましたが、私たちはさらなる進化を目指しました。それが、現在開発が進んでいる「ツクルデAI( V3)」です。
「これまではアプリの方で開いて、『こんな感じになるんだ』っていう確認作業が結構大変だったんですけども、今回からはもう左のツリーをいじると、真ん中のプレビューが動的に切り替わっていきます」
商談の中で語られたこの一節こそ、ツクルデAI(V3)が最も重視した「現場への歩み寄り」です。システムエンジニアではなく、現場を知る人間が、迷うことなく、一瞬で理想の帳票を作り上げられること。この「作るストレスの解消」こそが、食品DXを成功させるための必須条件なのです。
タブレットをそのまま操作?「プレビュー機能」が現場教育を変える
これまでのツールでは、設定画面と実際の入力画面が乖離しており、完成図を確認するために何度も画面を切り替える必要がありました。ツクルデAI(V3)ではこの工程を完全に排除しました。編集画面の中央に、常に「実際のタブレットで見える姿」が映し出されるようになります。
「まるでタブレットの画面を見ながら編集ができるようになるっていうことが、結構大きな特徴になっています。かつ、見るだけじゃなくて、触れるようになっていまして」
項目をタップすればその設定画面が開き、並び順を変えれば画面上のデザインも即座に変わる。この直感的なインターフェースは、ITに不慣れな現場リーダーや、多言語対応が必要な外国人技能実習生への教育コストを大幅に引き下げます。
分岐機能の廃止と「部品化」。逸脱管理が劇的にシンプルになる理由
製造現場の帳票が複雑化する原因の一つに「もし異常があったら(逸脱時)」の分岐処理があります。従来のV2では、深い階層の分岐を組む必要があり、これがシステムの動作を重くしていました。ツクルデAI(V3)では「分岐をなくす」という決断を下しました。
是正処置の「共通パーツ化」
「金属探知機に反応があったらどうするか?」といった是正フローを「部品」として登録できます。異常検知時、その部品を呼び出すだけで報告が可能になります。修正も大元の部品を変えるだけで、全帳票に一斉反映されます。
PDFを投げるだけで帳票完成。生成AIがもたらす「作る苦労」からの解放
今回、最も革新的なのがAIを活用した帳票自動生成です。過去の「紙の帳票(PDF)」をアップロードするだけで、AIが項目を読み取り、瞬時にデジタル形式へ変換します。
「PDFの中からこれはどういう帳票なのかを理解して、項目をバーっと翻訳してくれています。人が手で打たなくても帳票ができちゃうぞっていうような形になってきています」
AIは単に文字を読むだけでなく、項目の属性まで推測します。これにより、数千枚に及ぶ既存帳票のデジタル化を劇的に短縮可能にしました。
「表形式」の自由度。時間連動・マスタ連動で入力時間を最小化する
繰り返しの入力が多い現場のため、テーブル構造の表現力を高めました。
- 時間連動型:稼働時間に合わせて自動で入力枠を生成。
- マスタ連動型:その日の製造品目や機械、スタッフをマスタから反映。
- 入力専用パネル:長い表もスクロールせず、専用画面からサクサク入力。
部分確定が守る「情報の正確性」。朝の記録を昼の人が書き換えない仕組み
交代制の工場で前のシフトの人間が書いたデータを後の人がいじってしまうリスクを解消するため、セクション単位の「確定ロック」機能を実装しました。
「朝の内容を確定ポチッと押すとロックされます。昼の人が間違えて変えることはできない仕組みになります。訂正が必要な場合は、履歴が残るフローを通ります」
監査用の出し分け機能。数日かかる遡及対応を「数分」へ
「社内用データは詳細に残しつつ、監査時には特定の項目だけ見せたい」というニーズに応え、最大5つの出し分けパターンを設定可能にしました。チェック一つで、監査に必要な項目だけを抜き出したPDFを一括生成できます。
未来の工場へ。音声入力と力量管理が紡ぐ新しいモノづくり
パートナー工場やパートナー企業の実際の現場での知見から生まれたツクルデAI(V3)は、力量管理(スキルマップ)や手順書とも紐付きます。「手順のレベル3以上の方しかこの作業の入力はできない」といった品質保証までを見据えています。音声入力での編集など、AIをフル活用した「次世代の食品工場」への土台が、ここに完成しました。